ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
スティーブン・ダルドリー監督。主演、トム・ハンクス。
9.11をテーマにした同名小説が原作。
まだ小学生低学年だったけど、この事件は衝撃的だったなあ。。。
記憶にある衝撃的な事件で最も古いものがこれになるんだと思う。
ここから簡単なあらすじ。
舞台は9.11から1年後。
少年オスカーは、父を事件で亡くし、母と2人で暮らす。
アスペルガー症候群を抱えるオスカーにとって、父は数少ない理解者の1人だった。
そんな父の突然の死。
家族がそれを受け入れられないまま、1年。
それまで1年間、誰も入ることのなかった父のクローゼットで、オスカーは鍵を見つける。
オスカーはこの鍵に合う鍵穴を探すことを決意する。
どんどん遠くへ行ってしまう自分の中の父に、再び会うために。
といった感じ。
まず気になったのはこのタイトル。
意訳かと思ったら、そうでもなかったからビックリ。
では、一体何がうるさくて、何が近いのか、これを意識しながら観ることにした。
で、一応自分の中で答えは出たのだけど、ここで語ってもこのことに関して見返すことはたぶんなさそうだから、簡潔に書く。
うるさいのは、オスカーにとっての世界。
調べてみたら、アスペルガー症候群の人には、僕らにとってはなんでもない雑音でも、いちいちうるさく聞こえてしまうとか。
実際、オスカーが耳を塞ぐシーンはいくつかあった。
そして、近いのは周囲からの愛。
いなくなった父からの愛は、実は依然として近くにあって、ずっと遠くにあると思っていた母の愛も実はこんなところに。。。
この遠近感ってのがこの映画のキモではないだろうか。
観た感想としては、ただただ感動した。
前半は、アスペルガー症候群の苦しさが顕著に表れていて、うるさいし、人との距離感はめちゃくちゃだしといった感じで、正直退屈に感じた場面もなかったわけではない。
しかし、後半にかけてのオスカーの成長は観ていて心温まるものがあるし、それまであれ?と思った点も回収してくれるので、総合的には良かった。
でもまあ、前半はちょっと我慢して観てねと、人に勧める際には伝えるだろうな。。。