インセプション

クリストファー・ノーラン監督。主演、レオナルド・ディカプリオ

メメントがあまりに面白かったため、同監督のこの作品を鑑賞。

簡単なあらすじから。

ディカプリオ演じるコブは、人の夢の中から情報を抜き取る産業スパイ。

ある日、渡辺謙演じるサイトーという男から、あることを条件に、「インセプション」を依頼される。

インセプションとは、情報を盗むのではなく、逆に植え付けることである。

情報を植え付け、その情報で人を操るためには、その情報が対象者の中で自然に生まれた、矛盾のないものとなるために、綿密に計画することが必要となる。例えば、夢の中でさらに夢に侵入することでその矛盾をなくしていくわけだが、深く潜れば潜るほど、難易度は格段に高くなる。

さらに、夢から夢へと深く潜っていくと、最悪、夢から目覚めずに、虚無と呼ばれる空間に入り込み、現実と夢との区別がつかなくなってしまう恐れがあるらしい。

そんな危険な依頼をコブが受けたのは、提示された条件によるものだった。

その条件とは、自らにかかっている妻殺害の容疑を抹消すること。

この容疑により、コブはアメリカに入国すれば即逮捕。子供たちにも会うことができない。

こうして、選りすぐりの仲間を集め、この依頼に挑んでいくわけだが、コブの、妻との間にあるあるトラウマが、夢に中に妻の幻影を投影し、困難な依頼をさらに困難なものとしていく。

と言った感じである。

メメントでも思ったことだが、とにかく観ていて疲れる。この監督の作品は全部疲れさせるのだろうか。夢から夢へとどんどん潜っていくので、展開がどんどん複雑になっていき、少しでもボーっとしているとすぐに置いて行かれる。

しかし、その分見応えはすごいものだった。シナリオがとにかく良く練られている、素晴らしいもので、最後までついていけたというだけで満足感が得られる。

集中して観ていたからだろうか、作中で現実の世界に戻ってきたのにもかかわらず、私は、まだ夢と現実の区別がつかないような、ふわふわとした感覚に襲われた。観ている人にも「トーテム」としてコマが必要かもしれない。