グリーンマイル

フランク・ダラボン監督。主演、トム・ハンクス

188分。長い。

と最初は思ったのだが、中だるみを感じることはなく、3時間はあっという間に経ってしまった。

特に脚本が作りこまれているわけではなかったのにも関わらず、そう感じさせられたのは、役者の演技が素晴らしかったからではないだろうか。

刑務所、死刑囚。人間らしさから最も遠いような場所でありながら、多くの人物がそれぞれ持つ優しさだったり、パーシーのクソ野郎っぷりだったり、人間らしさというか、個性がとても上手く表現されていた。

と、今となっては思う。

そんな長い優しさの前フリから、ついにコーフィが処刑されてしまうシーンは見ていてとてもつらいものがあった。遺族から罵声が浴びせられ、コーフィが死刑囚であるという現実に引き戻された直後、ポールの手で処刑が行われる…

最期、2人が握手をするシーンは涙なしには観られない。

そして時が経ち、100歳を超えてなお、生き続けるポールは、これがコーフィという奇跡を処刑してしまった罪だと語る。

人間は誰もがそれぞれのグリーンマイルがある。

せめて、ポールに残されたグリーンマイルが少しでも幸福なものであることを願うばかりである。