シックス・センス

M・ナイト・シャマラン監督。主演、ブルース・ウィリス

自分のためにレビューを書いているので、ネタバレも織り交ぜながら書きたいけど、何かの間違いでシックスセンスを観たことのない人がこの記事を見てしまったら、気の毒なのでネタバレはなしで、手短に。

この映画について思ったことは2つ。

まずは、子役の演技。上手すぎ。最後の母親とのシーンは感動。調べてみたら、当時は天才子役として話題になったとか。さぞ、今は素晴らしい役者として活躍しているのだろうと思ったけど…これは知らない方が良かった…

そして、演出の妙。最後にとんでもないどんでん返しがあるわけだけど、そのどんでん返しを知ってから観ると、ずいぶんと印象の変わるシーンがあるなと感じた。しかも、1つ2つではなく、たくさん。でも、真相が明らかになる前でも、なった後でも、感じ方が違うというだけで、違和感はないような気がする。どちらの設定でも通じるよう、演出が考えられていて、そこは見事。奥さんとのやり取りは、次に見ることがあったらより注目して観たい。

今回はこのくらいで。観た人は多分全員最後のシーンに驚いただろうし、監督もしてやったりなんだろうなあ…これほどネタバレ厳禁な映画もなかなかない。

アルゴ

ベン・アフレック監督、主演。

実際にあった事件を基にした作品。

序盤は当時の映像を織り交ぜながら、事態がいかに深刻なものかを伝える。

アメリカがいかに厳しい状況にあるか、イランがどれ程怒っているか、事件についての知識がほとんどない私にも十分伝わってきた。

とても緊迫しているな…と思いきや、中盤はゆったりと進んでいく場面が多い。

主人公メンデスはとても今から単身イランに乗り込む男とは思えないほど地味で、ヒーロー的要素など微塵も見られない。特に、映画会社設立の場面なんかは、さっきまでと同じ映画なのだろうかと思うほどゆるい。

その雰囲気のままイランに乗り込み、作戦決行へ。

しかし、直前になり、アメリカの本部から作戦中止と言う連絡が入る。

このままでは、飛行機に乗ることが出来ず、脱出させることは不可能。だが、メンデスは独断で、一方的に作戦決行を告げる。

ここからの終盤はもう目を離すことなど出来やしない。これほどまでに緊張感のある映画はなかなかない。ハラハラドキドキとはこの感覚のことを言うのだろう。しかも、前述したようにこの作品は実話を基にしているのだから、さらに凄いとしか言いようがない。

映画を観終わった瞬間、私はもうベン・アフレック演じるメンデスの虜になってしまっている。少し頼りないように思えた男は、終始寡黙ながら、一本芯の通っている仕事人にしか見えなくなっている。

そして、役者としてだけでなく、監督としても、ここまでの素晴らしい作品を演出したベン・アフレックは本当にすごい!さすがアカデミー賞受賞作品。

メメント

クリストファー・ノーラン監督。主演ガイ・ピアース

まず冒頭にいきなり人が撃たれる。

いきなり死んだんだけど…と思っていると、シーンが切り替わり、そいつと撃ったヤツが普通に話している。

あれ…?さっき死んだよね…?もしかして…

そう。この作品では、時系列が逆に進んでいく。(事前にあらすじ読んでおいて本当によかった)

主人公は、記憶障害を抱えており、新しく記憶をすることができない。

よって、主人公は覚えておかなくてはならないことをメモ、写真に残し、重要なことは入れ墨にして「記憶」する。

時間軸のめちゃくちゃな中、記憶のできない主人公のメモ、他の登場人物の発言だけを手掛かりにストーリーを追っていかなくてはならない。

さらに、登場人物の発言は、それぞれに矛盾点がある。要するにみんな嘘つき。何が本当かわからない。

数少ない手がかりを必死に追いながら、その手がかりが果たして正しいのかどうか、整理していかなくてはならない。とにかく疲れる。

しかし、この苦行に耐えた者にだけ、クライマックスの衝撃を味わうことが許される。

最後のわずか10分余りで、これまでの情報のどれが嘘で、どれが本当なのかが瞬く間に明らかになり、最後の最後にようやくストーリーの真相を知ることができる。

とにかく、こんな映画観たことがない。どんな展開になっているか最後まで推理することが出来ず、どんどんのめりこんでしまった。

私はこの映画を人に勧められて観たのだが、誰かに勧めたくなる気持ちが良く分かった。

悲しみの忘れ方

乃木坂46を追ったドキュメンタリー作品。映画館で観ることが出来なかったため、レンタルして鑑賞。

アイドルの、本来見せるべきではない、明るい表舞台の裏側を見せることに、観る前は懐疑的でしたが、初めに感想を言うと、主要メンバーが今に至るまでの苦悩や、それを乗り越えて成長していく姿が上手く描かれており、ドキュメンタリー作品として、素晴らしい作品だと思います。

西野七瀬は、グループに入る前、感情表現の乏しいところがあったというが、内に秘める負けん気で、メンバーにも、ファンにも愛される、グループのセンターにまで成長。映像をよく見たら、暫定選抜には漏れていたようなので、これはすごいことだと思います。あと、最近の映像になればなるほど、感情表現が豊かになっているなという印象も受けました。

橋本奈々未は、今も昔も変わらずストイックだなと言う印象。何事にもストイックな姿勢が、グループ内でも唯一無二の存在たらしめているのでしょうか。

生田絵梨花は、言い方が悪いかもしれないが、クソ真面目と言う印象。完璧主義。何事も完璧にやり抜くという姿勢が、ファンに応援したいと思わせるのでしょう。

白石麻衣は、これまで順風満帆な人生だったんだろうなあと思いきや、不登校になった時期もあったとは驚き。ルックスだけではなく、それまでの自分とも戦い続けた結果の今があるのだなと認識を改めました。

そして、生駒里奈は、それまでのどこか物足りない自分を変えようとしてきたのでしょう。何事にも感情をむき出しにして、挑んでいるなという印象。その分、誰かと衝突することもあり、涙を流すシーンも多々見受けられました。しかし、その誰よりもがむしゃらな姿勢こそが、それぞれが自分を変えようとしていたり、夢を叶えようとしている乃木坂46というグループの象徴としてふさわしいものだなと感じました。人気ナンバーワンでなくても、エースでなくても、結局は生駒がセンターでなくてはならないのだと。

また、最後に少し映った堀未央奈のシーンも印象的。1期生がしてきた戦いを、堀もこれからしていくことになるのでしょう。

まさか、アイドルから学ばされることがあるとは思いもしませんでした。年下のメンバーもいるというのに。人生の転換期にいる私をとても勇気づけてくれる作品でした。今、観ることが出来て本当によかった。